E-than's Blog

Amazonプライム会員となって鑑賞した映画、読んだ本の感想や批評を書き綴ります。

「7つの習慣」を漫画で理解、自分に当てはめてみた

「家族でできる7つの習慣」を読んだ。最近よくある、エピソードを漫画で紹介し、ビジネス書の解説をするタイプの本である。AmazonPrimeに加入していると無料で読めるので、軽い気持ちで読んでみた。

COMIX 家族でできる7つの習慣

COMIX 家族でできる7つの習慣

 

読んでみたら意外に面白く、分かりやすかったので、オススメである。

 

 

第1の習慣:主体的である

「もしも娘がアイドルになると言い出したら」という切り口で、父親を主人公に、家族全員の対応を描いている。スティーブン・コビィーの七つの習慣とどう関連するのか。

「まったく何を考えているんだアイドルだなんて」

これが通常の父親の反応だろう。そして娘は部屋に閉じこもる。

 

パラダイムとは、ものの見方や考え方を支配している〈認識の枠組み〉である。人によってパラダイムが異なり、それが個人の世界観を作り、すべての行動を方向づけている。

アイドルや芸能界に対して、誰もがある種のレンズを通して見ているのだ。自分にレンズがあることを知り、自分のパラダイムがあることをまず認識すること。そして「パラダイムシフト」が必要と。他人を変えるのではなく、自分自身が変わる。それから自分の外側に影響を与える。周囲の評価基準を先に変えようと頑張っても無理。

 

第一の習慣は「主体的である」こと。

レンズを外して、他人や外部環境をよく理解し(=自分を変えて)、その上で自分の価値観を保って言動するのだ。他人や環境にそのまま影響されて、自分の言動が支配されてしまうのは「反応的」であり、「主体的」ではない。

 

第2の習慣:終わりを思い描くことから始める

いずみちゃんがアイドルになると決めたのはいいが、家族でジョギングと歌、ダンスの練習をしているだけではダイエットと変わりない。一体どこに進んでいるのかをはっきりしないと練習にも身が入らない。何かに取り組むときには「目的」と「目標」を明確にしなければならないのだ。

 

アイドルになる「目的」は「みんなを勇気づけて元気にする」であり、その目的に達成するために最初の「目標」が「三拍子そろったアイドルとして認められることと、オーディション合格」だった。

 

現実的で達成しやすい目標を設定するためのポイントがある。

①なにか代償を支払う ②文字にする ③実際にやると心に誓う ④勢いに乗る(ここぞという瞬間に目標を決める) ⑤ロープを渡す(仲間と励まし合ったり応援してもらう)

 

第2の習慣は、「ミッション・ステートメント」や「思考は現実化する」と共通する考え方だと思う。君はどんなアイドルになりたいんだ?と聞かれ、「ステージの上に立って・・みんなを照らす自分が見える」と答える。どんな服でどんな歌を歌っているんだと聞かれ、「・・の衣装で、・・な曲を歌っている」と答える。明確なゴールを思い描いて、未来の自分の姿をありありとイメージするというのは、ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」と全く同じだ。

 

僕は何になりたいんだろう。社会人になって20数年経ち、今更感が否めないが、社会人としてまだ20数年残っているとも考えられる。アメリカ大統領候補のバイデン氏は77歳にして、大統領になるという目標を立てているではないか。僕が目標を立てても咎められないであろう。

僕が医学部に入ると決めたのは小学生の時だ。当初は医学者になることが目標であったが、医学部に入ったのち、どんどん変化した。末期がんの緩和ケアを目指したのち、がんの治療を目指した。変化したのは挫折したからというより、思い描いていた姿と現実に差があったからと言った方が適切かもしれない。そして今は、がんの治療から発見の方に軸足を移している。ガンの予防と早期発見である。しかし、今回も理想と現実とのギャップに苦しんでいる。

小学生の頃からの僕の目的、ミッションは「たくさんの病気の人を助ける」である。しかし、これは医師になれば誰でも達成できるとも言える。もっと絞り込む必要がありそうだ。

社会人になってからの僕はずっとガンの勉強、研究、診療をしてきた。それを社会人後半の人生に役立てたいと思う。

「地域のガン死亡率を下げる」

今すでに理想と現実のギャップに苦しんでいるが、それが①の「代償を支払う」に相当するようだ。そして、僕が下げられる死亡率なんて0.0001%くらい微小かもしれないが、ゼロではない。死亡率を下げたいという思いを現実化するにはどうすればよいか、これから一つずつ目標を立てていきたい。

 

第3の習慣「最優先事項を優先する」

いずみちゃんはアイドル修業のためレッスンや習い事が増え、それだけで疲れてしまうようになってしまった。授業中の居眠りや、成績の低下と、学生の本分が守れなくなってしまっていた。

 

そこで時間管理のマトリックスを採用することになった。これは社会人になってからも利用できる方法である。

やることリストを、重要度と緊急度が高いか低いかで、4つの領域にまず分類する。

第1領域は重要度と緊急度がどちらも高い仕事、

第2領域は緊急性は低いが重要な仕事、

第3領域は緊急性は高いが重要ではない仕事、

第4領域はどちらも低い仕事である。

まず第4領域を削除する。そして、第2領域の仕事をまず予定に組み込む。そうしなければ、第2は緊急性が低いために後回しにされてしまうからである。そのあとに第1、第3を組み入れるようにしていく。いずみちゃんにとっては勉強が第2領域であったため、おろそかにされてしまったのだ。

 

僕にとっての第2領域はなんだろう。社会人にとっては、人生設計やキャリアプランに費やすことかもしれないが、僕にとって人生設計はほぼ確定されており、今更この年齢でキャリアアップやキャリアチェンジというわけにはいかない。最近よく、僕にとって大好きなことはなんだろう、ワクワクして時間を忘れることはなんだろうと考える。子供のころ、カブトムシやクワガタを夢中になって探したり、プラモデルを時間を忘れて作ったりしていた。そのようなことが今の自分にあるだろうか。

僕は喋るのが上手くないが、書くことはあまり苦にしないほうだと思う。同僚や友人に文章がうまいと言われたことも何度かある。書くことが僕にとっての第2領域ではないか。書いてお金が稼げるようになれば言うことなしであるが、そこまでの能力はなさそうである。ブログで人の少しでも役に立てる文が書ければ満足である。

夜寝る前の時間を、第2領域の作文の時間に当てていきたいと思う。

 

第4の習慣 WIN-WINを考える

オーディションを受けるためのチームの一員となったいずみちゃん。アイドル修業を始めたばかりのいずみちゃんは他のメンバーより明らかに遅れており、練習についていけない。劣等感ばかりが先にたち、気持ちがあせってしまう。そして、メンバーに追いつきたいばかりに、メンバーのマネをしてしまう。自分を見失いそうになるが、兄の言葉で自分の立ち位置を見つける。メンバーそれぞれを評価し、強みを発見し、メンバーに伝えたのだ。弱点を指摘せず、強みや長所のみを伝えたのがここでのポイントである。個人の長所を引き出し、足りない部分をお互いに補えば、チーム力は上昇する。

 

人間の関係性を整理すると、6つのパラダイムに分類される。

Win-Win(自分も相手も欲しい結果を得る)、②Win-Lose(相手を蹴落とす)、③Lose-Win(自分を踏み台にして相手を幸せに)、④Lose-Lose(共倒れ)、⑤Win(自分だけよければ良い)、⑥No Deal(違いを認めて合意しない)

 

我々は②のWin-Loseのパラダイムに陥ってしまうことが多い。価値の判断基準が相対的であり、他人との比較や、周囲の期待に対する達成度などで自分の存在意義を考えてしまうのだ。相手のレベルが下げれば勝てるので、自分の成長は必ずしも必要ない。

Win-Winの関係では、互いの利益を追求し、誰もが納得できる結論や解決策に到達する。私もそうだが、我々はどうしても、いつの間にか、友人や同僚、家族と自分を比較してしまい、劣等感もしくは優越感をもってしまう。まず周囲の人と自分を比較することをやめ、自分なりの判断基準やビジョンをもつことが必要だ。そうすることで、自分と周囲の人、それぞれが満足できる結果を目指すのだ。

 

第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される

まず相手を理解するように努め、そして自分を理解してもらう。この順番を守らなければ、信頼関係を築けない。思春期の子供が考えていることをまず理解してあげようとしなければ、子供は反発するだけだ。親に理解されたと子供が思えたら、子供は心を開いてくれる。子供も親を理解しようとする。思春期の子供をもつ私にとって、身につまされる。思春期の子供の考えることは分からないということをまず受け入れないと、自分が子供と同じ年齢だった30年前の価値観で、きっとこういうふうに考えているに違いないと決めつけてしまう。子供(相手)をまず理解するように努めないと。

 

相手に共感しながら、じっくりと話を聞くには、

①「急がなくていいよ、聞いているから」

②相手に集中 

③相手が自分にコンタクトをとりやすいように、オープンな状態に 

④自分と異なる相手の観点を認める 

⑤会話をコントロールしない 

⑥相手の立場になって感じる 

⑦質問で、相手の考えを整理してあげる 

⑧十分説明させる 

⑨きちんと理解できたか確認する 

⑩相手の気持ちに敏感に 

以上10個のステップがあるとのこと。

相手が子供だと、どうしても会話の流れを親の望む方向に誘導したり、アドバイスありきで進めたりしてしまいがちだ。相手(子供)よりも相手の状況をうまく説明してあげるのが、親の役目なのかもしれない。

 

第6の習慣:シナジーを作り出す

いずみちゃんのプロモーションビデオの撮影がいよいよ始まることとなった。いずみちゃんの家族が主体となって作るのだが、やはり一家族だけでは限界があり、他のメンバーの家族にも協力を依頼することとなった。でも、自分の子供がPVに出るとなって、他の家族が自分勝手な、色々な意見を言って、まとまりがつかなくなってしまった。親や家族は全力で応援し、必死なのだ。

そして、勇介くんが考えたコンセプトが、「親に会いたくなるアイドルPV」だった。それぞれの親、家族に役割を与え、歌とダンスだけではなく、親子のシーンも盛り込んだのだ。

 

シナジーを作り出すには、自分の考えに囚われすぎず、他人との違いを認めること。妥協案ではなく、第3案を作り出す。自分と相手の共通点を採用するのは妥協、自分と相手の案をすり合わせて新しいものを生み出すのが相乗効果、シナジーである。1+1=1,000にするのだ。

「相乗効果で第3案を作る」がキーワード。自分の意見で足りないところを、相手の意見で補いつつ、一段上のレベルに持ち上げる。

 

第7の習慣 刃を研ぐ

セブンハビッツはオーディションで最高評価を受けたが、一位にはなれなかった。あまりに前評判が高くて新人発掘オーディションの主旨に合わなかったのだ。

そして、いづみちゃんはアイドルのトレーニングに冷却期間をおいて、高校および大学に行くことにした。アイドルになる夢を諦めたわけではなく、もっと自分を磨いて人間の幅を広げるのだ。トレーニングなど一つのことに追われているだけでは、切れ味が悪くなるので、刃を研ぐのだ。

 

第1から第6の習慣は成果を得るための考え方と行動を示し、第7の習慣は高い成果を継続し、本物の習慣にするのだ。高校に行ってもっと広い世界に触れ、知識と教養を幅広く身につける。それは本物のアイドルになるために必要なことである。目標に一直線ではなく、すこし回り道する。そのような心の余裕が必要ということか。

 

日本では、高校を卒業して医学部に6年間行けば約90%の確率で医師になれる。早ければ24歳で医師だ。一直線な感じがするわけだが、実はそうでもない。医学部に入る前に他学部に行く人いるし、留年や休学する人もいる。卒業後も、留学したり、色々な科を経験する人もいる。

一見、回り道をしているようだが、医師としてどれだけ人に役に立てるかが医師の最終目標なので、医師を引退するまで40年あるとすれば、1ー2年の回り道は誤差範囲だ。もしその回り道の経験が1人の患者さんに役に立つとしたら、元を十分とったことになる。

僕ももう少し回り道してみるか。